パソコンの活用
意思伝達装置の様に極めて少ない動作での操作が可能になる訳ではありませんが、一般的なキーボードやマウスを使いやすくするための工夫を凝らすことで、意思疎通の道具として活用していく事が出来ます。ここでは、パソコンを操作しやすくするための方法や工夫等をご紹介します。
代替マウスの利用
パソコンを購入した時に付属してくるマウスですが、付属品のマウス以外にも、様々なタイプのマウスが販売さています。利き手に特化した形状から、大きさなど様々です。また、平らな面を滑らせて操作する方式以外に、ボールを転がして操作するタイプ(トラックボール)、スティックを任意の方向に倒すことで操作するタイプ(ジョイスティック)、また、ボタンを押すことで操作する方式のマウスが販売されています。
様々な形のマウス
マウスそのものに手のひら全体を乗せて操作できるタイプや左利き用、指先に取り付けて使用するなど、様々なマウスがあります。
トラックボール
本体のボールを転がして、ポインタを移動させます。
ジョイスティックタイプ
スティックを前後左右に倒して操作します。
ペンタイプ
専用の台の上でペン先を滑らせることで、ポインタを移動させることが出来ます。
その他
ホイール部分に触れる。突起をスライドさせる。ボタンを押す。などの様々な動きでポインタを移動させることが出来ます。
マウスパッド等
マウスを持って平らな面を滑らせる際、抵抗を少なくするための製品も販売されています。
マウス操作の独立化
一般的なマウス操作は、マウスを手のひらで握りながら、パソコン画面内の矢印(ポインタ)を動かしたり、決定などのクリック操作をしたり、クリックボタンを押したままマウスを動かしたりと、福祉委の動作を組み合わせながら操作しています。そのため、障害状況によっては使いにくく感じられる機器でもあります。
使いにくさを感じた時の工夫として、それぞれのマウス操作を独立させて誤作動を減らす方法があります。
代替キーボードの利用
デスクトップ型のパソコン・ノートパソコン問わず、外付けのキーボードを接続して使用することが可能です。これを活かし、使いやすいキーボードを選んで使って行くことが出来ます。
大きさ・デザイン
特殊な形状
プログラマブルキーボード
スイッチ本体にマウスやキーボードの機能を割り当てて使用することが出来ます。
キーガード(キーボードカバー)の利用
一般的なキーボードを使用するにあたり、手の震えや筋力の低下で複数のキーを同じ押ししてしまう場合があります。そのような誤入力を減らす工夫としてキーガードを(キーボードカバー)を用いる方法があります。
スキャン(走査入力)方式とスイッチでの操作とオンスクリーンキーボードについて
Windowsのパソコンにて、スクリーンキーボード機能を活用すると、パソコンで使用するキーボードの画像がパソコンの画面上に表示されます。表示されたキーボード上でマウスを操作してクリックすることで、文字を入力することが可能です。更に、「キーをスキャンする」という切り替えを行う事で、スペースキーなど、一つのキーを押す事で入力していくことが可能となり、意思伝達装置の使用方法に近い環境になります。しかし、このままでは、意思伝達装置を操作するための様々なスイッチを用いて操作していく事は出来ません。更に、画面上に表示されるキーボードの画像ですが、キーの配置は一般的なキーボードの配置となっています。ローマ字入力で日本語を入力していくためには、手数が増えてしまいます。また、かな入力を行っていく上でも、日本語の配置に慣れるまで時間を要します。一方、意思伝達装置で、日本語の50音で配置されたキーボードが画面上に表示され、見慣れた環境で使用していく事が可能です。また、使用される方に応じて、配置を変更出来る意思伝達装置もあります。
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パソコンをスムーズに操作するための設定方法
パソコンには、多くの方がスムーズに操作出来るよう、さまざまな機能が搭載されています。書く主要メーカーの機能についてお知りになりたい方は、下記のアドレスにアクセスして下さい。
- マイクロソフト アクセシビリティ https://www.microsoft.com/ja-jp/enable/
- Apple アクセシビリティ http://www.apple.com/jp/accessibility/
- Android Googleユーザー補助機能 http://www.google.com/accessibility/
アームレストの利用
腕の力が弱くパソコンを操作する事が難しい方向けに、アームレストという支持具があります。 これを用いることで、キーボードとマウスの行き来やキーボードの端から端までの行き来といった動作の負担を軽減することができます。
日常生活用具給付制度(情報・通信支援用具)について
ここで紹介された「代替マウス」「代替キーボード」「キーガード(キーボードカバー)」「支持具」は、日常生活用具給付制度を利用して市町村から給付を受ける事が出来ます(所得制限あり)。仙台市障害者総合支援センターのページで、制度についてご紹介しておりますのでご参照ください。