試作機等の紹介【工夫など】
ここでは、日頃の支援活動で気がついた事柄や用いた工夫、関係支援機関の支援者との情報交換で得られた情報を公開しています。
スイッチケーブルの保護
スイッチを自分の身体に近づけるために、どうしてもケーブルをたぐり寄せてしまうことも多い、その結果断線させてしまうケースがあります。そこで、ホームセンターで販売されている透明チューブに、ケーブルを納め、結束バンドを使ってチューブをスイッチ本体へ固定する事によって断線を防ぐことができます。
電動車いすの操作レバー付近へのポインティングデバイスの取付
車いすを利用する時間以外でも、このポインティングデバイスを使う機会が多くあることから、脱着のしやすさについても考慮しました。磁石を用いて固定を行なう金属製の蓋に貼り付ける例は、試されている方のアイディアでベッド上での使用する時の固定方法です。
マウス埋め込み形PPS用エアーバッグ
PPS用の標準のエアーバッグは形状が大きいため、小さい領域の僅かな動きを検出する場合には設置が困難で、かつ、感度が不足する事があります。
そこで、小形なエアーバッグの代用品として、舌圧プローブを使用しました。市販品のマウスのクリックする箇所に舌圧プローブを配置し、通常のクリック操作の感じで押し下げて使用します。
パソッテルへのポータブルテレビの取り付け
ベッドに寝た状態でパソコンを使う場合、パソコンを支持台(例:パソッテル)に取り付けて画面を見やすい位置に設置しますが、本人の可視範囲に制限があるため、テレビもパソコンの画面近くに設置して視聴したいというケースがありました。ポータブルテレビ用の取り付け金具を自作し、パソコン支持台に固定しました。
固定台(パソッテル)の頭上からの配置
パソッテルをベッドの横側から差し込む配置の場合、ケアをする際の障害になり、片づけるか足元の方にずらす必要があり、ケア時間の超過につながります。
そこで、パソコンとケーブルで接続したモニターを、パソッテルに角度調整ノブBタイプを付けたパソコン取り付台に設置し、頭部側から差し込み、モニターが頭部の真上に来るように配置しました。
モニターが痰吸引の際の障害になる場合は、斜めにずらすだけでケアは可能となります。
磁石を用いたビニルセンサの固定
ここに本文
長持ちの秘訣
意思伝達装置を動作させるスイッチには、消耗品を含むものやメンテナンスが必要なものがあります。また、湿気や油分との相性が悪く、放置してしまうと、スイッチを壊してしまう恐れがあります。
特に、皮膚に直接貼り付けたり、触れるタイプのスイッチは、湿気や皮脂や汚れを蓄積しやすく、導線の硬化。腐食、金属の酸化、最悪の場合、疲労によるスイッチの破損という事態を招く恐れがあるため、取扱いには十分注意する必要があります。
傷みやすいスイッチに関しては、購入時に予備のスイッチや交換用のパーツが同梱されているものもあります。少しでもスイッチを長持ちさせるためには、スイッチの適度な交換、乾燥を心がけましょう。
機器の規格について(三脚のカメラ取り付け用のネジと機器のネジ穴)
カメラの三脚はネジの規格(ネジ穴のサイズ)が決まっており、ほとんどのものが1/4インチというサイズで製造されています。このサイズは、一部の福祉機器にも使用されていることがわかりました。
例えば、「レッツチャット」というコミュニケーションエイドは、固定具との接続用のネジ穴に1/4インチを備えていました。オーバーテーブル上で使用したいなど、専用の固定具が手元にない場合でも、一時的にカメラ用の三脚で代用可能です。
既製品への加工(ピルケーススイッチの改造:押し圧の軽量化)
ピルケーススイッチとは、機器ルームで販売されており、その名の通り、ピルケースを利用したシンプルなスイッチです。片側開閉タイプのプラスチックケースの中に、接点式のスイッチが入っており、ピルケースのふたを閉じようとするとスイッチが押されるという仕組みです。
ケースの関節を支点、押す場所を力点、スイッチにかかる力の場所を作用点と考えた場合、もともと、ピルケースの中央に設置されているスイッチ(作用点)を取り外し、ケースの奥(関節部の方)へ移動させることで、支点から作用点の距離が短くなり、従来の押し圧をさらに軽量化させることができました。
入力装置固定具先端部のねじ穴の規格
意思伝達装置のスイッチ等を固定するための入力装置固定具(パシフィックサプライ社製スタンダードアーム及びユニバーサルアーム)は、両端のねじ穴の規格が異なっています。それぞれ、3/8インチ、1/4インチのネジ穴です。固定用のプレートと組み合わせて使用する場合、3/8インチ側が固定用クランプで隠れてしまうため、両端のねじ穴の規格に違いがあることに気がつきにくいところです。
実は使える身の回りの製品(共羽子板)
福祉機器は様々な部品が組み合わさって作られており、中には身の回りの製品を代用し、自分専用の福祉機器にアレンジすることができます。
例えば、前節に記述していますが、スイッチを固定するための「アーム」は、アームの先端に3/8インチ、もしくは1/4インチのネジ穴があります。通常であればそこに専用のスイッチ固定具を取り付け、スイッチを貼り付けて使用するのですが、専用のスイッチ固定具の代わりに、共羽子板を使用します。共羽子板は、ホームセンター等で販売されており、入手しやすい部品です。ネジ穴に合った共羽子板を使用することで、スイッチの取り回しが楽になる場合や今まで難しかったスイッチの角度・場所に固定できる場合があります。
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